PR
「お父さん」という言葉はどういう意味なのか、ご存知だろうか。
普段何気なく使っている言葉だが、このお父さんにもきちんとした語源がある。
お父さんはいつの時代にも、お母さんや子どもたちのために、毎日一生懸命働いて、日々の生活をするためのお金を稼ぎ、家族の安全を守ってくれる。
昔の人は、”尊い人”という意味で「トート」と呼んでいた。
今でも石川県のある地域では、父親の事をそう呼んでいるのだという。
歌舞伎のセリフの中でも、とと様かか様がよく出てくる。
「とうと」や「とと様」が、「お父さん」になったわけ。
つまり、「お父さん」とは”尊い人”という意味だったのだ。
一方、お母さんの語源には諸説ある。
その一つは、平安時代の身分の高い人のお方のことを「お方さま」と呼んだことに由来するという説。
もう一つの説として、「お母さん」という語源は、”太陽”から始まるという説である。
古代では太陽が真っ赤に燃えている様子を「カッカッ」、「カアカア」、「カカ」などの擬態語で表現していた。
いつの時代にも、母親は子どもを産んで、温かい食事を作り、まるで太陽のように明るく、子どもに無償の愛を注いでいる。
そんな母親はまさに太陽そのものだということで、昔の人が母親のことを「おかみ(日身)さん」や「かか様」と呼んだのだ。
この「かか様」が転じて、お母さんになったわけ。お母さん=太陽さん、という意味だったのだ。
「お父さんは尊いのだから、敬いなさい」と妻から言ってもらった方が効果的かもしれない。
お父さんが子ども達に、「お母さんは太陽なんだよ」と教えると、感謝の心を持った子どもが育つかもしれない。
もちろん、それ以前に自分たちが「尊い父親」と「太陽のような母親」にならなければならないということは言うまでもない。
今では社会の状況も変わり、様々な仕事が男女の区別なくできるようになった。
それにつれて、こういう固定概念もだんだんとなくなっていくのかもしれない。
女性の社会進出はさらに進み、父親の育児休暇を認める企業も増えてきているし、子育ての環境は大きく変わってきている。
それでも、やっぱり家の中には「尊い人」と「おひさま」が必要だと思う。
なぜなら、子どもは芽吹いたばかりの植物のようなものだから。
素直にすくすくと成長していくし、 尊い人から学ぶたくさんのことが養分となって、 しっかりとした根っこが出来上がっていくのだ。
今は様々な家庭の形があり、お父さんとお母さんの役割のあり方も千差万別。
しかし、どんな形をとるにしても、この二つの存在は、子ども達にとって大切なものに違いはない。